クライアントインタビュー・導入事例
[財務分析]福井県社会福祉法人藤島会 理事長 屋敷 大作 氏
財務分析によって、明らかになった課題
職員が自発的に業務改善案を提案できる風土に変化した
今年、設立27年目を迎える福井県福井市高木町の社会福祉法人藤島会。「福祉のプロとして笑顔と思いやりの心で地域社会に安心をお届けします」という行動目標のもと、地域の拠点施設として設立されました。
---日本経営を知ったきっかけとは
10年前に松浦総太郎さんが飛び込み営業でいらっしゃったことがきっかけです。その時期は職員も70名程度でしたから、特にコンサルを必要とは思わなかったので最初はお断りしました。その後、5年前に第2藤島園そよかぜホームを展開した頃は150名だった職員数が、現在は200名を超える規模まで成長しました。施設拡大とともに増えていった職員を理事長の私一人で管理することが困難になり、日本経営に相談するに至りました。松浦さんに連絡をしたら、人事コンサルタントの鈴木大海さんと坂佑樹さんが、直ぐに来てくれたのです。
---コンサルを受けた効果としては、どのような手ごたえを感じましたか?
人事考課を依頼して三期目になります。かつては私と一部の上層部だけで人事評価をしてきました。当然のことながら、公平に平等に評価をしてきましたが、その評価に全ての人が納得できていたわけではありません。そこで日本経営のコンサルティングを受けて人事考課を導入したのです。第三者の視点も加わったことで適正な評価になっていると、職員の納得感も増し浸透していったのだと思います。
---財務分析を依頼しようとしたのは、どのような経緯だったのでしょうか
かつては職員数さえ確保していれば、施設は問題なく運営できていました。地域に貢献できることに喜びを感じ、福井市における福祉関連事業の役目は果たしてきたつもりです。しかし、平成27年度の介護報酬改定の影響で利益が大きく下がりました。平成28年度の決算を見て、このままではいけないと危機感を募らせ、日本経営の財務分析をお願いすることにしました。
数字を開示して会議を行うことで、誰もが当事者としての意識を持つように変化
10年後20年後を見据えたビジョンを描く
---分析する前でも危機感はあったと思いますが、分析する前と後では職員さんとの関わりに変化はありましたか
財務分析は決算書の分析だけでなく、施設における加算項目などについても検証されていました。また、同規模の他の施設におけるベンチマークが確認できたことで藤島会が改善すべき課題が明確になり、結果として二つの部門を休止させると決断しました。
それを聞いた特養の幹部スタッフが『でしたら休止させる部門のスタッフを私達の施設に配置してください』と、手を挙げてくれたのです。驚くと同時に大変頼もしく思いました。かつては、人員の配置や加算減算については、私と一部の上層部だけで計画していましたが、財務分析を受けて数字を開示した全体会議を開催したのです。これによって、現場に近いスタッフが数字を意識して考えてくれるようになり、経営の危機感についても共通認識することができました。現場が自ら考えるようになってくれたことで、これからしっかり利益を出せるようになると確信しています。
これまで社会福祉法人は、競争や合理化といったこととは、無縁の業界でした。また、「合理化を目指す」などと発言すると、キツイとかブラック体質なのではとの印象を受けられることが多いです。しかし、そういったことに向き合わずに、現状をきちんと把握しないまま経営を続けて、どんどん利益が少なくなってしまうと、結果的に規模を縮小しなければなりません。しっかりと利益を出して、職員に還元する。地域に貢献する。マネジメントに真正面から向き合うのは、経営者の役目です。
---休止する部門を明確にする一方、他の部門については見逃している加算項目が列挙されました。その点はいかがでしたか。
やはり自分達だけでの分析では限界があるのです。例えば半年間のデータをとって、分析するといっても、集計の仕方や統計の仕方はどうすればいいのか…日常加算などは、当然把握していますが、全国平均との比較などのノウハウはありません。日本経営に数字とあわせて指摘していただいて、見逃していた加算点に気づきました。また、鈴木さんは職員の顔をすべて把握しているので、財務分析をもとに「この人を別の部門に異動したら、これだけの加算がとれますよ」と、提案していただきました。日本経営の情報量と分析力は段違いです。早いし正確だし説得力があります。勉強になりますね。
---日本経営の印象は
もともと、医療系に強いコンサル会社だと知っていました。また、リーダー研修などに職員を派遣していました。すごく感化される子も多かったですね。その研修を通じて、これからは介護分野でもコンサルを充実させていくと聞いたのです。そもそもコンサルティングは報酬が高いというイメージがあります。効果が出るのは半年先だったり、職員からは反発されたり…私も松浦さんが営業に来た際はお断りしていますから。でも、これからはそういう時代ではない。しっかり分析して、情報をもらって経営していかないと利益も出ない、職員も確保できない、職員の不満も解消できない。普段来てもらっている鈴木さんは、うちの職員の顔と名前を誰よりも知っている人でしょう。職員面談にも参加してもらっています。職員も私に直接話せない相談も、鈴木さんになら話せるようです。
日本経営に財務も研修も人事考課もお任せしていますが、それらにかかる費用をもったいないと思ったことは一度もありません。しっかり成果が出ていると感じます。
---結果的には、財務分析を共有してもらったことで、職員の皆さんが成長されたのですね
県内では一番若い、41歳で施設長になった職員がいます。また、主任クラスの職員は福井県医師会のセミナーでパネリストとして講演もしましたし、認知症の実践者研修の講師をしています。
---他の会計事務所や税理士事務所との違いを感じることはありますか
例えば一般的な会計事務所では、介護についての加算減算項目や人員配置まで提案されることはないです。日本経営には、制度改定や法改正を全て網羅した上で各件の分析をしてもらっています。財務分析をもとにした、人員配置の提案もしてくれる会計事務所は他に無いですね。また、人事考課制度がただのツールではなく、分析して、活用して、数字をよく見ることにつながりました。
情報量と分析力では、他に類を見ないコンサルティングをしてもらっています。実は今回の財務分析をもとに、事業計画を新たに作成することにしました。将来を見据えたアウトラインがほぼできあがっています。現場のスタッフも数年後は自分が管理者となれるように、目指すべき将来の姿が明確になっているようです。日本経営にお任せして本当に良かった。
---事業の難しさは、今さえ良ければそれでいいというものではありません。継続して成長し続けることが難しいですよね。
事業が成長するのは、容易なことではありません。でも、職員の成長が私達にとっての何よりの成果です。職員や組織が育っているのを目の当たりにしたとき、投資してきて本当によかったと思えます。おかげさまで、今年は新卒者を12名採用することができました。
今回のような財務分析による問題発見と解決事例のご提案は、定期的にモニタリングすることでより効果が出るものです。今後も定期的に調査と分析を継続し、福井市の福祉事業を支える施設様の成長発展をご支援していきます。
(文責:日本経営グループ)
URL: http://www.h.kpu-m.ac.jp/(外部サイト)
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