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経営相談Q&A

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解決済み

カテゴリ:税務・会計

投稿者:ユーザー さん

息子がいきなり帰ってくることになった。

個人診療所を経営しています。医者になった息子は跡を継がないと言っていたのですが、先月、急に「戻ってくる」と連絡がありました。ずいぶん身勝手なことで私は憤慨し、「親子だと思って甘く考えるな」と釘を刺したものの、内心はうれしく思っています。 しかし、実際承継するにしても、今まで何も準備していなかったので、なにからしていいのか分かりません。すぐに引き継ぐこともできないでしょうから、数年がかりで承継したいと思います。その場合、どのようなステップを踏みながら意思決定をしていくことになるのでしょうか。まずは、大まかなポイントを教えていただけないでしょうか。

質問日:2010-10-06
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回答1
NK倶楽部 さん ベストアンサー

親子であっても、スムーズにいくとは限りません。
私どもが知る限り、親子間の承継がスムーズにいくという保証はありません。財産・人事・診療について、お互いの立場を尊重して、承継方法を慎重に検討する必要があります。 まず、財産についてですが、個人診療所の場合、医院の資産は先生個人の所有物になっています。診療所の敷地として使っている土地や建物、医療器械、棚卸資産など、先生名義の所有物について、その所有権をどのように移していくか検討する必要があります。譲渡、賃貸、贈与など、いくつかの方法から、最適なものを選ぶことになるでしょう。 資産以上に重要になるのが、事業用の借入金です。無借金であれば問題ありませんが、多額の借入金が残っている場合は、それを息子さんが引き継ぐかどうかで、意見が分かれることが予想されます。ちなみに、息子さんが借入金を引継ぐ場合は、債権者の同意が必要です。これとは別に、退職金の問題についても、整理が必要です。 また、スタッフの引継ぎもかなり重要な要件です。先生と息子さんが協力して、段階的にトップの交代を浸透させていかなければ、古株のスタッフが全員一度に退職するという危機的状況になるケースもあります。息子さんが院長として人を使うことに不慣れでも、ある程度の試行錯誤は大目に見て、先生と息子さんが常に協調的でないと、先生側VS息子さん側のような構図になる可能性があります。 最も難しいのは、カルテの引継ぎでしょう。つまり、診療の承継です。先生と息子さんでは、診療の方針が大きく違うことが予測されます。違いがあるということをお互いに尊重しあって、承継を進める必要があります。息子さんにとっても、先生の診療方針で先生のファンとなっている患者さんへの対応は、大変苦慮されると思います。 状況を見ながら、最終的には届出等の手続きをすることになります。個人診療所で事業承継を行うのは結構大変なのですが、診療所を一度廃止し、その後新たに診療所を開設するという扱いになります。税務署、各都道府県、各市町村、社会保険事務所、保健所、医師会などに対して届出をすることになります。 今回は個人診療所を前提にご説明しましたが、先生の代で医療法人を設立しておいて、その後、息子さんに承継することも可能です。ケースに応じて、税務や労務の専門知識が必要になりますので、早い段階で専門家にご相談されるとよいのではないでしょうか。

回答日:2010/10/06
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